アタシは黙って保健室を出ようとしたその時――
シャっ
「…誰?」
「あ…」
……バレたね。
完璧、バレたよ。
「……高橋さん…」
アタシ達しかいない保健室だからか、
ハナちゃんの声がやけに響く。
「タカハシ…?」
ど、どーしよう。
「え、えへっ…あ、アタシ帰るんでっ! どどど、どーぞ! あっ! 誰にも言いませんからっ!! やっ! アタシ、見たくて見たワケじゃないんですよ?! 勘違いしないでくださいねっ!!!」
アタシは振り向かずにそう言い吐き、
保健室をスグ出た。
「おい! ちょっ!!」
ドアが閉まる瞬間何か聞こえたけど、止まらずに教室に戻った。
「あ! おまっ!!」
「海木っ!!!」
教室に戻る途中で海木と会った。
携帯片手に、アタシを見てなぜか怒ってる。
「どこ行ってた?!!」
「あ、あは…」
苦笑いしか出来ない。

