ラブ☆パニック






ポロン…

アタシはゆっくり目を開けた。

そして、白い鍵盤から手を放した。


ちょっと気分が沈んでしまった。

思いだし過ぎたかな…?


アタシはふと思い出した。

ここで、アタシは曲を聴かせていたんだと言う事。


あまりに自分の世界に入り過ぎて、忘れかけていた。


でも、スッキリした。
幸せだった。


「あ、コレ…ありがとうございます」
アタシは立ち上がり、涼達の元に向かった。

「咲月…弾けるじゃん! 危ない所だった~」
「え?」
「俺、咲月の事好きになりかけてた…」
「は、はぁ…」

女を口説くのうまいね、涼。