心に染みてくる音。
凄く美しく、
凄く哀しく、
凄く綺麗に、
凄く儚い音。
一つ一つの音に思いが染みていて、心に響いた。
アタシは目を瞑り、アタシが幸せだった頃を思い出した。
優しかったお母さん、
温かかったお父さん。
そして――…
大好きだった、お兄ちゃん。
でもそこに、今の生活の面影はない。
誰もがみんな。
こうなる事なんて考えなかっただろう。
アタシも、こうなるなんて…思わなかった。
昔の家族。
一つ一つが愛おしくて、戻りたい。
けど、時は刻々進んで行く。
大好きだった家族は――
もう、ここに存在しないんだ。