大理石でできた床を歩きながら、だんだんと近づいてくるピアノの音。
「……ピアノ、弾いてるの?」
「うん、上手だよ」
へぇ…。
でも、確か大和っていう人はクールなんじゃ…?
さっきのあの男みたいな人だったらどーしよ?
そう思いながら、ドアを開けた涼について行くアタシ。
ガチャ
「わぁ…」
アタシは感動してしまった。
まるで、コンサートの様な景色。
小さな客席に、大きな舞台。
その舞台で綺麗な音を奏でてる、黒い髪がサラサラして、整った顔をしてるイケメン。
この人は、優しそうな雰囲気。
でも人は見かけによらずっていうしね。
アタシは自然に…
綺麗な音に弾きつけられる様に、1番前の客席に座った。
その隣に腰掛けてくる涼。
「……綺麗」
アタシの目には、黒く光るグランドピアノと、それを弾いてるイケメンさんとのマッチが輝いて映っていた。

