でもまあ、
「涼は先生の事が好きなの…?」
気になるなぁ…。
保健室のマドンナだもんね、あの先生は。
きっと涼とだったら様になってるんだろーなぁ。
アタシは想像して、感激してしまった。
でも――
「……気持ちなんてないよ」
「え…?」
アタシは意外な言葉に耳を疑った。
でも、彼の表情は心が潰れそうになるくらい…
胸が張り裂けそうになるくらい…
悲しく、
虚しく、
儚いモノだった。
勘違いかもしれない。
それで済まそうとしてるアタシは、きっとヤワなのかもしれない。
「……りょ、う?」
アタシが涼に近づくと、涼はパッと目を逸らし、静かにアタシの手を握って誘導してくれた。
手を握ってくれた涼の手は、
さっきと違い、冷たかった。

