ラブ☆パニック




でもまあ、
「涼は先生の事が好きなの…?」

気になるなぁ…。

保健室のマドンナだもんね、あの先生は。

きっと涼とだったら様になってるんだろーなぁ。


アタシは想像して、感激してしまった。

でも――
「……気持ちなんてないよ」
「え…?」

アタシは意外な言葉に耳を疑った。

でも、彼の表情は心が潰れそうになるくらい…
胸が張り裂けそうになるくらい…


悲しく、
虚しく、
儚いモノだった。

勘違いかもしれない。

それで済まそうとしてるアタシは、きっとヤワなのかもしれない。


「……りょ、う?」
アタシが涼に近づくと、涼はパッと目を逸らし、静かにアタシの手を握って誘導してくれた。


手を握ってくれた涼の手は、
さっきと違い、冷たかった。