「あれ、咲月でしょ?」
「へ? なにが?」
「保健室に来たの」
「・・・」
“保健室”と言う単語を聞き、足が止まる。
保健室では、君に間違って抱きついちゃったんですよね…?
あ、そう言えば誰だろう。
先生と寝ていた人って…
「咲月、でしょ? 背を向けながら帰って行ったの」
「・・・」
ぅ…うそ…
まさか、あの声の人って…
「俺の声、無視して走って行ったの」
「・・・」
先生と寝ていた人って…
涼だったの―――?!!!
そう言えば、可笑しくない。
美和が言っていた『海木を上回るプレイボーイの伊集院涼君』っての!!!
わ、忘れてたぁ―――っ!!!
アタシはショックが隠せなった。
「ごめんね? 変な所みせて」
へ、変な所って…
ぜぜぜ、全部変な所だったし!!

