でも、有名人でしょ?!!
呼び捨てなんて…

「してくれなきゃ、大変な事になるよ?」
「へ?!」
「ハハッ! 冗談。でも、涼って呼んでくれた方が嬉しいな?」

綺麗な顔を緩ませる彼。

「……りょ、う…」
アタシはふいに照れてしまった。

「なに? 咲月」
バクバクと高鳴る胸。

「そーだ、咲月ご飯まだ?」
「え? あ、食べました」

パルミジャーノチーズのリゾットを…。

あれを食べてる時間だけは、幸せなんだよねぇ!!

「そっか! じゃあ、デザートあるから、デザート食べてるといいよ」
「へ…?」
「俺らだけの、特別席にご招待します、姫?」

そういい、アタシに手を差し出してくる涼。

“姫”その慣れない言葉に、違和感がでる。

ヤバイ、美和。

アタシ、涼に関わりたくない、そう思っていたけど…やっぱり違う見たい。


アタシ、涼と友達になりたい!

アタシは涼の手に、手を重ねた。