アタシは必至に走った。

そして――…

キーンコーンカ―…
バンっ!

「ハァ…ハァ…ハァ…つっ…ついたあぁ…」

遅刻寸前に間に合った。


「はい。高橋、セーフ。席に座れ」
そういうのはアタシの担任、山崎正樹。
         Yamazaki Masaki
通称やまちゃん。

それが普通のおっさんじゃなくて20代半ば程の、イケメン。

中々いないから、人気なんだよ。これが。


「…ちょ、ちょっと褒めてくえてもっ…」

凄いんだよ?!!
7時54分に寮を出て、ここまで走って来たんだよ…?!!

ちょっとくらい、褒めてもいいんじゃない?!!

「バーカ。もうちょっと早く起きれば良い事だろ?」
そう言い、キランッと眩しい笑顔を放つやまちゃん。

ま、まあそうですけど…。

アタシは1理あったので、言い返せなくなり、大人しく席に座った。


「よう咲月! 今日もギリギリおめでとう!」

そういい悪戯っぽく笑うのは、まさにアタシの男友達の杉浦 海木。
   Sugiura Kaiki
これがまた、最強のプレイボーイ。