「み、美和…」
「大丈夫。咲月は待ってて」
そう言い、無理に微笑む美和。
無理に決まってんじゃん!
親友が先輩達に絡まれてんのに、見て見ぬふりなんか。
「あ、アタシも行きますっ!!」
「咲月…」
アタシ達は先輩達に囲まれ、裏庭に来た。
「…アンタ。この髪、ちゃんと黒に染めて来たらぁ?」
そういい、美和の髪をいきなり引っ張った女。
「…ったっ!」
「美和っ!!」
アタシが美和に手を伸ばすと、他の先輩達に遮られた。
「このツケマもっ!!」
「ヤっ…」
美和のツケマを引っ張り、ハズした女。
美和は顔を赤くして、啜り泣いてる。
ヤダ…
ヤメテよ…。
いくら美和が派手だからって、こんな事していいと思ってんの?!
「あ~あ。泣いちゃったぁ。メイクボロボロなんじゃない? アタシが綺麗にしてやるよ」
そういい、庭の池の水を汲む女。
ちょ、ちょっと待って!
美和は悟ったのか、無茶苦茶になった顔で、後ずさりをしてる。

