愛しさは孤独の支配者






俺は亜也ちゃんを追わなかった。


景「……」

盗聴器のことバレへんかなぁ……

一回みつかりそおになって部屋入ったとこ見られたりしてたしなぁ

今それ思い出したんやろか?あの口ぶりは……


俺は少し顔を歪めた。














亜也。



あたしは近くの宿泊しているホテルへ必要なものを取りに行く。

エレベーターのボタンを押す。
ドアが閉まり一人になる。



亜也「……っ」
でも景さんの握る手のあたたかさが似ていた。

気のせいか……




エレベーターがついて開くとすぐに剣さんがいた。


剣「!」
亜也「!?」
あたしの手はひっぱられる。

亜也「ちょ……つる……」

なにも言う間もなくあたしは剣さんの部屋に押し込められる。



剣「……もしかして思い出してへんよな」
亜也「…………なにを……ですか……?」剣さんはあたしの体を抱きしめる。
剣「……ならいいんやけど」
亜也「…………あたしが真緒さんと暮らしていたことは思い出しました」
剣「!」
剣さんはあたしの顔を見つめた。

それから剣さんは静かにベッドの上に座った。