どうにか鈴を落ち着かせようときつく抱きしめる

鈴の細い体はやや冷たくて
汗でやわらかに濡れていた

浅い呼吸をたしなめて
わざとゆっくり呼吸する
それに合わせて段々鈴の呼吸もペースがゆっくりになった

赤い瞳も薄く覗く
焦点は合わずに虚ろではあったが
少しほっとした

小さく名前を呼ぶと体が少し震えて、反応する

思えば、こんなに鈴の近くに居るのは初めてだ
なんだかんだで距離を置かれてきたから

呼吸が重なって、また、ゆっくり離れる
繰り返し繰り返し

体も段々と心地良い体温に変わり
同化して、どちらが冷たくどちらが熱いのかが分からなくなった