彼は微笑むと、空を見あげる。

つられるように、あたしも見あげた。

「あ、雪…」

灰色の雲から落ちてきたのは、真っ白な雪。

それは、いくつにもなって落ちてくる。

「今年はホワイトクリスマスだね」

彼がそんなことを言う。

「キレー…」

あたしは落ちてくる雪を、ただ眺めていた。

「あんまり見てると、目がチカチカするよ」

彼に言われ、あげていた顔を戻す。

「……ホントだ」

そう呟いてまばたきをするあたしに、彼はクスッと笑った。