その言葉に従うように彼が出て行った瞬間、猛烈な後悔が襲う。

「また言い過ぎた…」

今度こそ本当に、彼に嫌われたかも知れない。

彼は大人だから、子供のあたしよりも大人を選ぶかも知れない。

「何でいつもこうなのよ…」

言ってしまったことを後悔しても、何とかなる訳じゃない。

それで何とかなると言うのなら、こんなにも悩まない。

「探しに、行かなくっちゃ」

彼に、さっきのことを謝らなければ。


外に出ると、強烈な寒さが襲った。

「寒ッ…」

マフラーを巻き直すと、歩き出した。