「じゃぁなっ美歌!
帰ったらメールするっ」


奏楽は両手を振りながら
笑顔でそう言った。


「うん、バイバーイッ
送ってくれてありがとっ」


私も笑顔で別れを言い、
家に入った。




「ただいまぁー」


「うっふっふっふー♪」


「~ぅわぁっ!
びっくりしたぁー…」


帰ったら玄関の前にお母さんが居た。

不自然な笑みを浮かべている、お母さんが。


「見たわよ~ッ
なになにぃ?
さっきの子、美歌の彼氏?」


さっきの子って…

奏楽のことっ!?


「カッコいい子じゃなぁいっ♪」


「ぅ、うるさいなぁっ////」


お母さん、絶対楽しんでる…
ノリノリだ。


「ピロピロロン♪」


あ、Mailだ。


「Mail?
さっそく彼氏から?」


「もーっ!
お母さんあっち行っててよ~!!」


あたしは自分の部屋に入った。

だって、お母さんったら、
からかうんだもん。


「…にしても、彼氏かぁー。」


そう。
奏楽みたいに素敵な人が、
私なんかの彼氏…


彼氏…

かれし…

カレシ…

なんか、考えただけで顔があつくなってきちゃった。