「…ふふっ
ありがとうね。」


「あ、笑ってんじゃねぇよ!
頑張って切ったんだぞっ!」



可愛い、奏楽…


「口開けて。
食べさせてやるよ。」


~ッえっ!?!?



「ぃ、いいよっ
…自分で…食べれる…」


「しんどいんだろ。
せっかく俺がそう言ってやってんだから!」


「でも…」


恥ずかしいよ…

そんな、
カップルみたいなこと。


「いいからっ!
あ~して。」


…私は、
少しずつ口を開けていった。


口の中に、
りんごが入ってくる…



パクっ



…甘いな、このりんご…。

こんな甘いりんご、
初めて食べたかも。


「ど?
美味いっ?」


心配そうに聞く奏楽。

味は変わんねぇからっ!とか言って…
やっぱり気にしてたんだ。


「…おいしいよ。」


「マジで?
良かった!」


嬉しそうな笑顔…

気づいてる?



奏楽…。

奏楽の笑顔で、私…


すっごく元気になっていってるんだよ?


「…なぁ、美歌?」


奏楽の顔は、さっきの無邪気な笑顔から、
少し真剣な顔に変わった。


「…どしたの?」