美歌は、ふるふると首を横に降った。


「ぅぅん…。
来てくれて、嬉しい…コホッコホッ」




ドキッ!




…って、
なにがドキッ!だよっ!?

美歌がしんどいって時に、なにときめいてんだっ!


「学校は…?」


ウルウルとした目で俺に問う美歌。

や、風邪でしんどくて目ウルウルしてるんだと思うけど、

そんな目で見られたら…

ヤバイ…
可愛すぎる…っ


「学校サボった☆
美歌がしんどい思いしてる時に
授業なんか受けてられねェし。」


とか言って、
カッコつけてる俺。

本当は美歌に逢えないのが悲しくて
美歌に逢いに来たくせに。


「ごめんね…
っと、ありがとう…。」


…キューン!!


なんか…弱ってる美歌って、
可愛いな…。

まぁいつも可愛いけどさ…
って!

あーもーっ!

また俺変態っぽくなった!

はぁ…なんなんだよ、本当。



美歌のことになると、全く自分をコントロール出来ねぇ…

情けねぇ…。


「あ、そうだ!
俺、りんご買ってきたからさっ
切ってやるよ。
台所借りるぞ?」


「本当?
ありがと…」

美歌の、しんどそうな顔が、
少し元気そうになった。


「ってか、
りんご食えるか?
吐いたらしんどいし、やめとく?」


「ううん…大丈夫。
奏楽の切ったりんごなら…
何個でも食べれるもん…」


「はははっ!
無理して食うなよっ?」


「うん…」