「美歌ん家、父さんと母さんは?」


「今出かけてる。
もうすぐ帰ってくると思うけど。」


「え~
美歌の親って、見たかったんだけどなー。」


見ても何も面白くないと思うけど~

普通の親だし。


「よしっ!
んじゃ、まず数学から教えてくれ。」


「あ、うん…」


奏楽くんと部屋で二人きりなんて、
緊張して勉強なんて出来ないよ…


「ここさ、どうやって解くの?」


奏楽は教科書の文字をゆびさして、
私に問う。


「あぁ…ここはね…」


「うん?」


き、キャーーーッ!!

奏楽の肩が、私の肩に当たってる…

ヤバイよ、心臓。

ドキドキして…////


「どうしたんだよ、美歌?
顔赤いぞ?」


ち、近っ!
顔近い…


「い、いや…あの…////」


私、慌てすぎだしっ!
不自然すぎるでしょ…。


「美歌っ!
危ないっ!!」


「ぇ?」


私が慌ててドタバタしてしまったせいで、
本棚が倒れてくる…


嘘でしょ…


「…!!」


怖くて私は動けなくて…

目をつむることしかできなかった。


ドサドサドサ…


「痛たた…く、ない?」


沢山の本が私の上に落ちてきたはずなのに…


全く痛くない。

なんで…?