「あ、あのさぁ…お母さん…
恋って、何?」


いくらお母さんでも、
ちょっと恥ずかしいこと聞いちゃったかも…っ////


「くすっ
はははははっ!!!」


…わ、笑われた。

見事に大爆笑されたんだけど…。


「いや~ごめんね、美歌。
余りに青春らしいこと聞いてくるからね~。
『恋って、何?』の質問を、
もうちょっと具体的に聞いてくれないかしら?」


難しいこと言うな~
お母さんは。


「私の思う恋はね、
時間をかけて少しずつ好きになっていく…
それが恋だと思うんだけど、
…ま、間違ってるかなぁ?」


結局、聞いちゃった。

…今になって恥ずかしくなってきた。


「お母さんは、
それは間違ってると思う。」


え…


「美歌の言う通り、
時間をかけて恋する人もいると思うわ。
でも、一目惚れする人だっているじゃない?
…例えばね?
昔から食べてるご飯って、
馴れてるからか、口にあいやすい事ない?
でも、初めて食べた食べ物が、
すっごくおいしくて、大好物になったり…
そういうことも、美歌にだってあるでしょ?」


…そんな、
人って食べ物みたいに単純じゃないと思うけど…。


「まぁ、お母さんが言いたいのは、
恋は時間で決まらないって思うの。
どれだけ時間がかかっても、
どれだけ時間がかからなくても、
好きなものは好き。
それでいいんじゃない?

美歌はいっつも自分を疑い過ぎ。
もっと、自分に素直になりなさい。
自分の気持ちを信じて?」


…自分の気持ち…か。


お母さんの言ってること、
何となくだけど分かった。









私、奏楽を好きなのかもしれない…