「たっ、ただいま…」


「何何何ー?
何よそのテンション。
どうしたの?
何かあった?」


「いや…テンションが低いわけではなくて…」


寧ろテンションが高すぎてのぼせちゃった…みたいな。


だって、ででででデートだよ!?

そう言えば、最近全然してなかった。

勉強に部活に…忙しかったし。



しかも、再来週の日曜って…クリスマスイブじゃん!

ど、どうしよう!

プレゼント買いに行かないとーっ!


「そう言えば、もうすぐクリスマスねぇ…
美歌、なんか欲しいものある?
まぁもう高校生だしいらな…」


「ぶぶっ!!」


私は、飲んでいたお茶を吹いてしまった。

私って結構…分かりやすいのか?


「その反応、クリスマスイブに何かあるでしょ?」


「なーいーよー。」


うわ、何その棒読みっ!

ロボットかっ!

我ながら動揺しすぎでしょっ!


「もしかして、デートとか?」


バレた。

そっこうでバレてしまった。

私の口って、お母さんに隠し事ってできないようになってる。


「へーっ
デートかぁ。
若いって良いわね~
素晴らしいわねぇ~」


そんな、近所のおばさんみたいなこと言われても…。

いや、お母さんももうおばさんか。


「今、美歌が何考えたか…わかってるわよ?」


「すいません、すいません。」


なんで分かるのーー!?

不思議だよ。

私鈍感だけど、お母さんは敏感すぎっ!


「でも、丁度良かったわ。
今日、美歌の洋服買ってきたの。
デートに着て行ったら?」


「あ、ありがとう!
どの服!?見して見して~」


「はいはい、これよ。」


お母さんの出してくれたショッピング袋を開けると…


「わぁ!
可愛いワンピーっ!」