「顔がいー。
ただ、それだけ」


そこまで言って、聡はいったん言葉を止め、

顔だけ後ろに向けて、あたしを斜めに見下ろし、



「・・・でしょ?」



残りの言葉を告げた。



おどけたように
かわいらしく
首をかしげて
冗談めかして言った
その言葉に


あたしは、いつも光の中にいる聡の“影の部分”を見た気が・・・した。