“天使”
コウスケがずっと怯え続けていたもの。
それは先に逝った恋人ではなくて、
ナキのこと。
状況が理解できなくて、しばらくナキを見つめたままだった。
コウスケは恋人とハネの病に発症して
しかし恋人の死により、自分が死ぬことも怖くなって精神が壊れて
その精神崩壊で、恋人が自分をあの世で待っているという幻覚を見てて
その恋人を、“天使”と呼んで怯え震えている。
姉と僕で予想した考察が、全部ひっくり返された。
だって、僕とナキが出会う前から、ナキとコウスケが会っていたなんて。
じゃあなんで、コウスケはナキを“天使”と呼び、怯えているんだ?
コウスケはどうして、ハネの病の発症から一年弱も生きているんだ?
ナキは
何者なんだ?


