「じゃあ、彼女の分まで、生きなくちゃ」





また声が聞こえた瞬間、背中に激痛が走った。

ちょうど羽根が生えているあたり。



「っ……!?」



ナイフかなにかで刺された。



痛みで声も出ない。




背中からナイフを引き抜かれると、気が遠くなり視界がぼやける。





遠くなる意識の中で見たものは、




ヒカルが羽織っていたベージュのダッフルコートを持ち去る少女





背中に誰よりも大きな、


少女の体よりもはるかに大きな羽根を生やした



その姿はまるで







銀色の髪の、天使