「は?」



当然の反応だと思う。




「あんなに鮮やかな色の髪と目なのに羽根が生えてなくて、名前以外はすべて謎?その上“自分は死なない”って宣言してて、しかもユウヤが好きってなに?」


「俺がそれを聞きたいんだけど」



僕のわかりづらかったであろう説明を聞いて、一番重要な部分をまとめて一息で説明できる姉は、やはり頭が良いのだろう。

姉は一呼吸置いて、考えをまとめた。



「記憶喪失って考えが一番手っ取り早いかもね。例えば、両親がハネの病で亡くなったショックで記憶が飛んじゃったりとか。羽根が生えてないってところが謎だけどそれよりも…」



姉がチラリと僕を見た。



「好かれるようなことでもしたの?」







“ナキの死ぬときもきっと、すごく綺麗だと思う”



そう言ってしまった時のナキの微笑みがフラッシュバックして心臓が鳴った。



「…別に」



さすがに言えなくて、平静を装いごまかした。