「たくさんの人を殺すものだから、怖くないことはない」


「殺す…」


「でも、綺麗だと思う。」




背中に生えた羽根

きっとこの世で、もっとも美しい凶器



殺されるなら、この病がいい






「だからナキの死ぬときもきっと、すごく綺麗だと思う」






言ってから気が付いた。

とんでもない失言をしてしまった。


不治の病に発症しながら「死なない」と断言している少女相手に、死に際を褒めてどうするんだ。





すぐに謝罪しようとナキの顔を見ると、



ナキは僕を見て微笑んでいた。