挨拶が済んだ姉は、二階へあがり自分の部屋に資料を取りに行った。


ナキは姉と触れた手をじっと見つめている。


「姉ちゃん、科学者なんだ。ハネの病について10年以上研究をしてる」


「ハネ…」



姉が、かなりの量のハネに関する本を腕に抱えて階段を降りてきた。



「じゃあ、ナキもゆっくりしてってね」



よろつきながら居間から離れようとした時、腕の中から数冊がナキの前に滑り落ちてた。


たまたま開かされたページには、人間に羽根が生えている写真が載っていた。