「チリチリチリチリ♪」

人の世界が静まって、虫達の世界の音だけが聞こえる時間…

男の子は一人、歩いていた。

受け入れられない現実に、ついつい一人になりたがる。

今日も、
やっぱり一人になっていた。
しかし寂しくなんてなかった。

今の自分はそれだから…
それが望んだ時間だから…

いつも同じのいつも道は、その夜だけは…同じじゃなかった。

水の流れる音に…
いつもの静けさ、
孤独の時間は消え去った。



望んだ孤独と望まぬ孤独、
孤独は孤独で同じなのに…

感じるモノは別物だ。