今度そう言ったのは、麻衣だ。


「あの・・・っ!今日の部紹介で部長の後ろにいた茶髪のかっこいい人の名前教えて!」


えええええ・・・。

それ、どーなの・・・


その質問に中坂美姫は、ははっと笑い、

「あー、多分畠山先輩だよ。でも先輩、さっき帰ったけど。眼科行くとか言って」

「ええええええええ!!!!」

その麻衣のリアクションにまた中坂美姫はあははと笑った。


「じゃあ今日はあたし帰る☆じゃあねゆーちゃん!」

「ええええええええ!!」

「そのリアクション流行ってるのー?おもしろーい」

「ごめん由美ちゃん黙って!」

「あんた帰んのー?じゃ、ゲーセン行かね?」

行こー、あたしは麻衣ー、あたしは中坂美姫、えー何組?、みたいな会話が繰り広げられる。


「えっ、ちょ、待って、マジ?マジなの?」

「本気と書いてマジですか!?」

「ごめん由美ちゃんほんと黙って!」

私は遠ざかってゆく二つの背中を見つめた。