東京の中心部にある帝居。



私は帝家の冷泉帝の長女として生を受けた。



いずれ輿入れをすれば…民間人となるが…今は帝家の者。



名前は冷泉の姫宮紫穂(レイセンノヒメミヤシホ)。



周囲は私を姫宮さまと呼んでいた。



由緒ある家柄であるが…苦労は絶えないし、プライバシーなどなかった。




必ず侍女が私に付き添い…身の回りの世話をする。



私は自由を望んでいた。


私の夢の世界だけが唯一…自由な場所。