「どったのしゅっちゃん」
ぽかんとしているしゅっちゃんの顔を覗き込む。
「いや……なんやかわええなあ」
「でしょ? 似合うよ~!」
「いやそうやのーて…」
修ちゃんと悩んだんだけど……やっぱこっちのが可愛いよねえ。
「…まあ、ええけどな…」
ぽつっと呟いたとき、誰かの手がしゅっちゃんの肩に置かれた。
「なんだ? しゅっちゃんなんて呼ばれてるの君」
「お? 蓮二やん。お前もやっぱここかいな」
どうやら知り合いのよう…。
順に見比べるあたしに、しゅっちゃんが紹介してくれた。
「こいつな、俺の幼馴染みの轟蓮二(トドロキレンジ)。俺と同じピアノ科や」
「ピアノ科なの? へー…。よろしくお願いします。バイオリン科のまおです」
「ああ、君が武藤真緒ちゃん?」
はれま……ご存知?

