「どうしたんだい急に」


かっ……。


「かっ……」


「か…?」


「かっ………かっくんがいない!」


…そう。

いつの間にやらごたごたに乗じて、かっくんはとんずらこいていたのだ。

あたし達を囮にしたのねっ。


「なんやあいつ、いつからおらんかった?」


「たぶんあのネーミングを見たときはまだいたよね」


「じゃあその直後、超直感でなにか感じ取り逃げたんだ!」


「超直感って…。やっぱ真緒っておもしろおい」


面白いかどうかは置いとくとして…。


演奏会かぁ…。

バイオリンできるのは嬉しいけど…できるかな?

この間みたいに、チューニング程度にしか…。


「う~む」


…まあ……なるようになるか。

かっくんみたいに鋭い人がいたら、あたしの演奏で気づいたりして…。


…自意識過剰か。

かっくんがいじょおなだけだよね!