――キャンッ!
「ふびゃっ」
「……」
犬のいる部屋から突然鳴き声がした。
その途端変な声をあげながらびくんと跳ねる真緒。
「ななななにごとっなにごとっ!?」
大慌てで駆け出していった。
「……」
忙しいヤツ…。
「…真緒ちゃんておもろいよなぁやっぱ」
「僕は生まれてこのかた、あんな天然が服着て歩いてるような子見たことなかったよ」
「その上限りなく謎だらけだしねー」
確かに…。
謎といえば謎だ。
あいつの正体が藤峰真祐だってことで、こいつらの疑問は解決するだろうが…。
するとまた、別の疑問が生まれる。
母親…。
藤峰真祐の両親は、世界的バイオリニスト藤峰洋平と、同じく世界的ピアニスト武藤真琴だろう。
なぜあの武藤真琴を“探して”いるのか?
なぜそうまで頑なに隠す必要があるのか?

