「?」
『高級』だけでなく『一番』も大好きな父。
最上階から見る夜景は最高だよ♪って言っていた。
「んじゃまー、行ってみよーっ♪」
いつのまにやらまた掴んでいたかっくんの手を無理やり引っ張りながら、無駄に立派な自動ドアの中に入った。
「ま、待って真緒! 置いてかないで~!」
「ねえかっくんどうやって入るの」
「鍵みたいなのあるだろ」
「真緒ちゃんって結局…」
「そういえばご両親は?」
それぞれ好き勝手を言うあたし達。
りんりんは不安そうな声で追いかけてくるし、しゅっちゃんは首を傾げる。
そして蓮くんは今さらなことを聞いてくるのだった。
「あ。開いた」
なんだー。この数字ってそういうことだったのね。
父様に渡されたメモに書いてあった数字は、どうやらここに入るための第一段階の鍵のようだった。
それ書いとこうねちゃんとね。
エレベーターで一番上まで上がり、廊下に出た瞬間。
「んーなっ…」
かっくんを除く三人が絶句しているのがわかった。

