「ん?」
指差された先を見ると、あたしの右手はしっかとかっくんの指先を握っていた。
「……あれま」
癖なんだよぅ~。
あたし誰か隣にいると、触ってないと落ち着かない。
寂しいんだよね。人肌恋しいっていうか。
しかも歩くときはどっか握ってないと置いてかれるし。
パッと手を離し、代わりにりんりんの手を握った。
「やだ可愛い♪」
「ねえねえりんりん。もし荷物ぐっちゃになってたら、ちょっとだけ手伝ってね」
「いいわよ~」
よっしゃ!
今日といわず、明日も明後日も泊まってくださいぜひ♪
「ええ~じゃあ俺も遊びに行ってもええ? な、蓮二くん♪」
「真緒ちゃんがいいなら」
「いいお。早く行こかっくん。まおお家気になる~」
「何で俺まで…」
父様はまだパリだし、あたし一人だもんね。
寂しいから~みんながいてくれたほうがいいし。

