秘密のMelo♪y①*日本編*


まったく自分の非を認めようとしない。

それどころか気付いてさえいない。

むっとしてさらに言い返そうとしたとき。


「真緒。落ち着け」


人ごみを掻き分けて、かっくんがあたしの元へやってきた。


「……かっく~ん、だって…」


「いいから。もう行くぞ」


「……うん」


かっくんが言うのなら仕方ない。

それに、あの人ってなにを言っても無駄そうだし。


渋々諦めて、守るように腰に手を回してくるかっくんと一緒に部屋を出た。


「か、楓様!? なんですのその女は!」


「あの子……可愛いのに…」

「相手が星野じゃお前……こてんぱんになるだけだな」


「あ、またあの子…」

「結局なんなの?」


四方から様々な声が飛び交ったけど、そういうのには慣れてる。

見られるのは嫌いだけど、色々言われるのは…もうなんかどうでもいい。

世界中から言われ続けてきたあたしとしては、ほんの数十人やそこら、気にもならないのだ。


「大丈夫か?」


珍しく心配してくれている。


「だいじょぶ」


えへへっと笑ってみせた。