「楓様楓様ってアンタね! ここはそんなヤツが来るとこじゃねーのよ!」
「なにを言ってらっしゃるの? あなた方…」
きょとんと女の子の集団に向き合う彼女は、ある意味ですごいと思う。
「あなた方だって、楓様をお慕いしてるんでしょう?」
「そりゃたしかに星野くんに憧れはするけどね!」
「でもそれ以前に、あたし達音楽が好きなのよ!」
…そうだ。
この人のやってること、言ってることは、音楽を本当にやりたい人への…冒瀆。
そして、かっくんへの最大の侮辱。
「……謝って」
気が付けば、集団の影から呟いていた。
「は…?」
「かっくんに謝ってよ!」
「か……!?」
色んな意味で言葉を失う彼女。
今ばかりは、かっくんのファンの子達も味方だ。
「ま……まあーっ! 失礼ですわ、失礼ですわ!!」
途端、ヒステリックに叫びだす。
「このわたくしに…白川家の令嬢であるこのわたくしに、なんて口の聞きようなの!?」

