秘密のMelo♪y①*日本編*


「…ですからして――、あなた方は、常に他の生徒の手本となるのです。分かりましたね?」


『あなた方は手本となるのです』。

これ、何回言っただろう。

少なくとも五回や十回は余裕で超してると思う。


「では、今日はここまでにしましょう。次回から本格的に授業を開始しますよ」


ぱたんっとなにか分厚い本を閉じながら、「解散」と言い放った。

それを合図に、弾かれたようにすっとんでくる……女子、女子、女子。

隣に座るあたしなんて、いとも簡単に押し出されてしまった。


「星野くんっっっ❤❤予習したいんだけど!」


……自分でしなよ。


「ここよくわかんないんだけど~❤」


仮にも音楽学校に入る人が、楽譜読めないの!?


「楓様ーーっっ❤」


か、かえ……楓様…!?


なぜか心の中で突っかかってしまっていたあたしは、最後に聞こえたちょっと可笑しげな一言に思わず振り返った。


「なっ……」


なんつー勢い…。


群がる女の子達が避けざるを得ないほど。

五人くらいの集団だ。


「楓様。ようやくお会いできましたわね!」


話しかけられている張本人は、目にも入っていない様子で立ち上がる。

きっと……集団がいなくなって助かった、位にしか思ってないんだろう。