――数分後、あたしは羨望と妬みとなんともいえない激情の目に四方から串刺しにされていた。
なぜかかっくんは、あたしの隣に座っている……これが原因でしょう。
「ねえねえねえ。ねーっねーったらねえ! かーっくん」
「しつこい」
「だあってぇ。彼女いるの? ねえいるの? どこどこ?」
「…ハア……」
さっきから気になって仕方ないというのに、ため息をつくばかりでまともに答えてくれない。
照れなくたっていいのに~♪
「お前な」
呆れた声色で言いかけたとき、先生らしき女の人がしゃんしゃんと入ってきた。
「みなさんごきげんよう。バイオリン科講師、岬凛子(ミサキリンコ)ですわ」
ご、ごきげんよう…。ですわ…。
濃いっ全体的に濃い! 化粧も濃い!
視界の端にとらえたかっくんも、ものすごい勢いでドン引きの表情。
「今年は期待できそうですわね? なんせ天才が二人も入ったのです」
「二人?」
「星野と…誰?」
二人!?
……自意識過剰で言うわけじゃないけど…あたしじゃないよね…。
だって今…目、合わなかった?
担任とバイオリン科の先生は、あたしが藤峰真祐だと知っていると言われた。

