もう、この人には隠し切れないと思った。
あたしの楽器は、1722年もののストラディバリウス。
バイオリンの最高峰ともいわれるストラディバリ。
1700年代初頭に作られたものは特に優れているといわれる。
こんなものを…“素人”であるあたしが持つはずない、と。
怪しまれるから隠してた。
「……」
ケースを開けて楽器を見ると、黙ってあたしの目を見つめる。
「…笑え」
「はい、おっしゃるとおりです実は……っては?」
わら…笑え?
笑えってなに? え? 笑え?
あまりに想定外過ぎる一言に、ぽかんと口を開けてしまう。
そんなあたしのほっぺたをむにっと引っ張る彼。
「……いひゃい」
「笑えっつってんだろが」
「いひゃいもんわやえにゃい!」
「いいから笑え」
なによもう笑え笑えって!!

