なぜか楽器のせいにして、無理やり誤魔化そうとする。
「借りても…いい、よね?」
室内にずらっと並べてある中の、バイオリンを指差す。
「そらええやろけど…」
「やたっ」
すたたたっと室内に入り、じろじろと嘗め回すように見つめる。
どれがいいかな…。
あ、この子元気そう! …でもやんちゃそう~…。
でも可愛い音出そう! でもやんちゃそう…。
けど言うこと聞いてくれたらいい子になりそう! でもやんちゃそう…。
「…でもこれにしーよおっと」
カチャ、とスタンドから手に取ると。
バババッと一気にみんなの視線があたしに集まった。
「……え?」
「ちょっとあの子…」
「分かってんのか?」
「見る目があるんだか馬鹿なんだか…」
ばかって失礼じゃない?
顔も名前も知らない相手に。
少しむっとして、一つ分開いているグループ分の席の一つに座り、チューニングを始めた。

