――ワーーーッ
喋り終えた直後、バイオリンの音色は止み、しばらくの間をおいて大きな拍手と歓声が沸きあがった。
「本物だ! 今度のは間違いなく本物だ!!」
「藤峰真裕が復活したぞ――ッ!」
…五年。
実に五年もの間、一体どれほどの人がこの瞬間を待ちわびたことだろうか。
俺だってその例外ではない。
もう一度……あの演奏を聴きたい。
その一心でずっと捜し続けていたんだ。
いつの間にか……お前のバイオリンでなく、お前を追っていたことにも気付かずに――。
―フッ
「!!」
「真緒ッ!!」
「危ない!」
「え? なに? どないした?」
…っ…そうだ…!
あいつは今……体が…!
弾き終わって気が抜けたのか、舞台に見える人影がぐらっと揺れた。
反射的に……足は地面を蹴っていた。

