秘密のMelo♪y①*日本編*


「へぶっ」


「もうちょっと女の子らしい悲鳴をあげようか」


「…ぶつかった相手が悪いからだもん」


「いやどんな理屈やねん無茶苦茶かΣ」


びしいっと振り向き様に突っ込んでくれたしゅっちゃん。さすがだ。


中に入ると二つくらいのグループが、すでに楽器を持っていた。


「えと……その…」


いろんな意味で怖気づいてしまい、そばにいたりんりんにすがる。


「あららどうしたの? 怖い?」


「うん…」


だってみんなすごい怖い顔してやってるんだお!

楽しくやろうよ~…。


「そういえば真緒ちゃん…楽器は?」


「え…」


そうなのだ。

ホールで女の子が言ったのは結局ただの嫌味だったけど、中身は正しい。

この音楽の名門では、楽器を持参するのは当たり前だ。


「持ってない……ことはないよね?」


立て続けに蓮くんが聞いてくる。

だけど今は……今は、あたしの楽器は出せない。

…まちゃっかり持ってきてるわけだけど?


「ちょっとあのそのええっと……まおの言うこと聞かないの!」


「は?」


「へ?」


「な?」