「なん……ですって…?」
「あなたが、藤峰真裕…?」
「ま…お……?」
「なにゆうて…」
「……」
「……」
…ふっ。
勢いに乗って、言ってしまった。
心のどこかで冷静な自分がいた。
「な……」
「…?」
「なにを言ってるんですの! あなたみたいな小娘にあんな天才少女が務まるのなら、世の中天才だらけですわ!」
…カチン。
小娘て。いつの時代の人間だよお前。
「小娘だろうがなんだろうが事実なんだからしょうがないでしょ。天才? は? なに言ってんの。さっき成り上がりだとか言ってたんじゃないの?」
「そっ…れは…」
口ごもるお嬢様と偽物に、あたしはなおも食って掛かった。
「あたしの楽器あんなことにしたの、あんたでしょ! 最初に見たときすぐ分かった。体の大きさからなにからなにまで全部一致する。記憶力には自信あるの」
この偽物が、あたしの…先生のバイオリンをあんなことにしたんだ。

