耳を澄ませると、次々にネタばらしはされた。
「しかし、藤峰真裕が五年間顔を知られていなくて助かりましたわね」
「そうね…。成り済ますのも容易かったわ」
「くす…。あなたがちょうど、彼女に恨みを持っていてくれて助かりました」
「私もよ。あなたが彼女を貶める目的を持っていてくれてよかったわ。利害の一致がぴったりいって」
んなっ……。
だからなんであたし、そんなに……?
「もうすでに、だいぶ世間の評判は落ちています。これでフィナーレよ」
「ええ。今日ここで復帰してみせて、演奏旅行でボロボロの演奏をしてみせるのよ。誰も藤峰真裕を望まなくなるわ」
は……。
そ、そんなことしようとしてたの…?
目的、それ? え? なんで?
思わず目をぱちくりさせてしまう。
「ふっ……元々親の栄光で成り上がった卑怯者ですわ。誰も本人の実力など見向きもしていないわ」
おっ……親のすねかじってこんな馬鹿なことしてる人に言われたくない!
なによこいつ! ほんっとむかつくっ。
「第一、母親の藤峰真琴も…どうなのかしらね?」
……え…?

