「……あれまあ」


みんなこっちを見てるじゃないですか。

そんな大声で笑わなくたってもねえ?

女の子なのに、はしたないわよっ。


まるで他人事のように、やれやれと両手の平を上に向け肩をすくめた。


「ちょっとアンタね!」


「りんりん!」


食って掛かろうとするりんりんを慌てて止めた。


「だってムカつくのよアイツ!」


「はは、はは……。いーじゃん別に…ね?」


怒りからか、ふるふると震える握り締めた拳。

必死でなだめました……。


ぶっちゃけ……彼女の言うことは事実だ。

持ってないわけじゃない。

でも今のあたしにあの楽器は……ある意味で、人に見せられない。


「真緒ちゃん度胸据わってるね…」


「え? なんで?」


「けろっとしとるとこやないやん普通」


…そ、そうなんだろっか…。

りんりんみたく怒るとこ?

「ひどいわっ」て泣いてみせるとこ?