「…行くぞ真緒」


「う、うん」


相手にしないものと決め込んでいるらしいかっくんは、パッとあたしの手を取って彼女の横を通り過ぎた。


「お待ちください楓様! 今日はご報告に参りましたのよ」


「……」


「昨日、わたくしのパパが…」


―がっつん


「……」

「……」

「……」

「……」


あたりは沈黙に包まれた。

それもそのはず。

寡黙としても有名な星野楓が……なんとまあ机を蹴り飛ばしたのだ。


恐る恐るその表情を見やると……。


「……」


うん。あれだね。久しぶりに見たよこの顔。

そおだなー…初めて会った日以来かな?

あはは! 一ヶ月ほど前の話なのに、ずいぶんと懐かしいねー。



……とか言ってる場合じゃねーのよ!!