そして今日は、一限目からバイオリンだった。

どうしよう…。楽器できないしなぁ…。


「かっくんまおどうしよう」


「行くだけ行けば? 楽器やるとは限んねぇし」


「うん…」


それでも一応バイオリンは抱えて、少し遠い音楽室へ二人で向かった。


教室に一歩踏み入れた、その瞬間だった。


「……?」


なにやら空気が重苦しい。

てか冷たい。痛い。


「???」


きょろきょろあたりを見回してみると、どうもほとんどの人がある一点を見つめて嫌そうな顔をしている。

中には思いっきり睨んでる人までいる。


一体なんだというのでしょう…。



「あっ! 楓様! 遅いですわよ~♪」




…………はれ?


この声は……。