頬を膨らませてまとわりつく真裕。
思わず手を伸ばしてしまいたくなる。
「かっくんー?」
「……なに?」
「…んー……なんでもないっ」
にこっと笑うと、元気よく駆けていった。
なんかこう……妹みてぇ。
まあ実際二つ年下なわけだが…。
飛び級してるってことはあいつあれで普通の勉強もできるってことか?
あり得ねぇ。
真裕がそんなに頭いいってのはあれだ。神への冒涜だ。あまりにそう見えなさすぎる。
人は見かけによらないってのは……よらな過ぎだな。
あいつがかの有名な天才少女だと、誰が思うだろうか。
なにやってもドジで…いつもどこか抜けていて。
なに考えてんのか分かんねーとこはあるし、行動が全く読めない。
不可思議を絵にかいたようなやつだ。
その代わり、藤峰家の名に相応しい才能を持っている。
本番に強くてあれだけ音楽を愛せるのも一種の才能だ。
やっぱり……すごいことはすごいんだよな。
「にゃんっ!」
「!? おいおい…」
……何もないところでいきなりすっ転ぶのもある意味すごい。

