秘密のMelo♪y①*日本編*


そんなこんなで今朝は少しばかり慌ただしかった。



「ほんじゃー次の時間はそれぞれの科に分かれてなー」


二時限目が終わり、ようやく専攻の授業。

うんと背伸びをして楽器を手にし、ふらつきながらかっくんのもとへ行った。


「おいおい…ふらふらしてんなよ」


「いや、これはただの立ちくらみっす」


「あっそ…」


楽器は…ストラディバリの方はもう使えないから、他に持ってないしガルネリを借りることにした。

こんなの使ったことないんだけどなぁ…。

とはいえ昔使ってたのは、あろうことかパリに置いてきちゃったし。

今度取りに行こうかな。

送ってっていったらなんか大変なことになりそうだから。


「それ、使えんの?」


「ううんたぶん無理」


「……」


まあそりゃできるだけ頑張るけど?

先生のだよ? あの先生が愛用してたすっごいやつだよ?

あたしなんかがそもそも触っていいのかって話だよ。

でも楽器がないからしないとか、そういうのは先生は望まないもん。

だからちょこーっと借りるの。

音楽は先生の遺志だからね。