そう感じたのは、あたしだけではない。
「馬鹿にしてんなら、乗ってやるが?」
「ちゃうちゃう! ホンマにお友達にって思てんねやで?」
睨まれて、しゅっちゃんは苦笑いを浮かべて両手を胸の前で振ってみせる。
本当になに考えてんのか分かんない人だなぁ。
「気にしないで。あいつあれで本気なんだよ」
「そーそ。ただああいう言い方しかできないあたり、損してるわよねー」
ん…そうだろっか。
逆に彼の人格だからこそ、むしろ許されてるような気もする。
しばらくしゅっちゃんと彼の睨み合いは続き、やがて時は過ぎた。
「自己紹介をー……うおおっ。な、なにやってんだお前ら」
入って来た先生が、睨み合う二人を見ておののく。
それを合図にしゅっちゃんは戻ってきて…星野楓はまた、外に目をやった。
「? なに今の…」
アイコンタクト?
目と目で会話ってやつ?
あ、それとも…。
「男同士の魂の会話っ」
「真緒ちゃんおもしろーい!」

