蓮くんの言葉通り、相変わらず笑みを貼り付けたしゅっちゃんと外を見ている星野楓をじっと見つめた。
なぜか、ざわついていた室内はしーんとなる。
「……」
固唾を呑んで見守るのは……どうやらあたしだけではなさそう。
「よっすー」
「…………あ?」
声をかけられてようやく気付いた様子。
キツイ目をしゅっちゃんに向けた。
「俺な、ピアノ科の青木ゆーんやけど」
「…知ってるよ…だからなに」
「おっ、マジか? そら光栄やなー」
パンッと掌を叩いて笑顔で言うしゅっちゃんに対し、星野楓はキツイ目をさらにキツくする。
「何の用?」
「いやー。有名な星野くんと、是が非にもお近づきになりたい思てなあ?」
しゅっちゃん……。
物言いがこう……小馬鹿にしてるように聞こえるんですが。

